資源の安全保障に関する質問主意書
右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。
平成二十二年十二月三日
小 熊 慎 司
参議院議長 西 岡 武 夫 殿
資源の安全保障に関する質問主意書
資源の安全保障について以下質問する。
平成二十二年度補正予算で国はレアアースの安定供給確保に関する基本対策として総額一千億円の対策費を盛り込むことを決定したことに関して質問する。
一 代替材料・使用量低減技術開発に百二十億円、レアアース利用産業の高度化、リサイクルの推進に四百二十億円、鉱物資源の開発、権益と供給の確保に四百六十億円とある。
1 これらの事業はどの様な基本戦略に基づいて実施するのか。①代替材料・使用量低減技術開発、②レアアース利用産業の高度化、リサイクルの推進、③鉱物資源の開発、権益と供給の確保、の各項目それぞれについて、具体的に示されたい。
2 これら事業の予算は、予算内訳につき、具体的な積算資料や積算資料作成のための単価調査を行った上で計上されたものなのか。
3 補正予算は、年度内に早期に実施すべき緊急性のある事業について措置すべきものであるが、これら事業は、本当に早期に実施可能なのか。たとえば、全て本年中に事業開始できるものなのか。
二 これらの事業において、都市鉱山についての取組を進めるための具体策は含まれているか。
三 世界で資源獲得競争が激化する中、鉱物資源の開発、権益と供給の確保に四百六十億円で十分と言えるのか。
右質問する。
内閣参質一七六第二一四号
平成二十二年十二月十四日
内閣総理大臣 菅 直 人
参議院議長 西 岡 武 夫 殿
参議院議員小熊慎司君提出資源の安全保障に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。
参議院議員小熊慎司君提出資源の安全保障に関する質問に対する答弁書
一の1及び3並びに二について
政府としては、レアアース等の供給確保に向けて、「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」(平成二十二年十月八日閣議決定)において、鉱山等の開発や権益の確保、レアアース等代替技術の開発、廃製品からのレアアース等の回収及びレアアース等への依存低減等を目的とした企業の設備投資に対する支援に、取り組むこととしたところである。
このうち、レアアース等代替技術の開発については、レアアース等の代替及び使用量の低減につながる技術の実用化の加速化支援を行うこととしている。
また、廃製品からのレアアース等の回収及びレアアース等への依存低減等を目的とした企業の設備投資に対する支援については、いわゆる「都市鉱山」対策として、廃製品からのレアアース等の分解・抽出を行う技術の開発や設備の導入に対して支援を行うとともに、レアアース等の使用量を削減するための設備投資等に対して支援を行うこととしている。
さらに、鉱山等の開発や権益の確保については、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「JOGMEC」という。)を通じた我が国企業の鉱山等買収に対する支援や、技術協力による資源国との関係強化を行い、供給源の多角化を図ることとしている。
経済産業省においては、現在、これらの事業の早期実施に向けて調整を行っているところである。
一の2について
御指摘の予算については、過去の類似の予算の積算等も参考に積算資料を作成した上で、計上したものである。
三について
鉱山等の開発や権益の確保については、JOGMECがレアアースに係る資産買収出資を行うのに必要な資金に加え、JOGMECが資産買収出資の原資とするために民間金融機関から借り入れる資金の金利返済に充てる資金及びJOGMECが債務の保証事業を行うために設けた信用基金に積み増される資金並びに資源国への協力事業に係る資金として、合計四百六十億円を計上している。そのため、これらの事業の実際の事業規模は数千億円に相当することから、供給源の多角化に必要な鉱山等の開発や権益の確保が可能となると考えている。

